普通の民家のごく普通の茶の間に、その塾はありました。

塾・予備校に初めて行った時の思い出
塾・予備校に初めて行った時の思い出

普通の民家のごく普通の茶の間に、その塾はありました

普通の民家のごく普通の茶の間に、その塾はありました。
1960年代。正確に言えば「塾」ではなく「勉強学校」と呼ばれていたと記憶しています。
学校が終わると皆で連れ立って楽しそうに出かけていく友達が羨ましくて、1度行ってみることにしたのです。
今でいうなら、体験入学といったところでしょうか。そこでする事といえば、学校の宿題です。
「えっ!宿題なら家でしているのと一緒じゃない」と心で叫ぶ私の頭の上から降ってくるのは、先生の声。
「学ぶということは面白いものです。
人は学ぶことによって成長します。私達はこの天から与えられた特権を生かすことを、考えなければなりません。苦労が多ければ多いほど、何かを成し遂げた時の喜びは大きいのです」元来、精神論の苦手な私は、この時点でもうギブアップ。時間が来るのを待ちかねて、早々に逃げ出したのを覚えています。そこには2度と足を踏み入れることは無く、塾とは無縁の学生生活。
でも、今になって思うのです。
あの先生の言葉、決して間違ってはいなかったと。ただ、友達と少しでも長く居たいがために出かけて行った当時の私には、苦痛なだけの放課後でした。